美濃の和菓子(3)「彩る」

| 2012.05.08 Tuesday

現在展示中の「和紙に込めた光たち」
「美濃の和菓子」3軒目の此の花亭さんの和菓子
制作で感じたキーワードは、「彩る」


「彩る」
●紫陽花餅
●草餅

『紫陽花餅の涼やかな水色。
道明寺の粒は、紫陽花の花々かな。
穴の開いた和紙と水色を交互にして色を作っていく。
薄い和紙をどんな順番で、何枚重ねようかな・・・。

草餅の緑は、奥深い緑。深緑と緑、グレーも感じて入れてみる。
表面には白い粉。特に薄い白い和紙で覆ってみる。
色彩豊かな和菓子・・・その色を和紙で重ねて彩ってゆく。』





和菓子の美しく奥深い色・・・
何枚かの和紙を重ねて、色と表情を作っていきます。

紫陽花餅を包んであったのは、竹の葉。
今回は竹の葉も和紙で作りました。




~ お店に伺って ~
ご主人は、ゆっくりと一つ一つのお菓子を説明して下さいました。
作り手の方から、直にお話が聞けるのは本当に貴重な機会です。
「和紙の舞」という、パイ仕立てのお菓子もありました。
「パイの層が幾重にも重なるように、和紙が栄えていきますように」・・・と。

ご主人に、和紙スイーツ作品をご覧頂きました。

作品を手に取り、
目を細めながら、笑みがこぼれて・・・。



そんな表情を見るのが、私にとっては何より嬉しい瞬間なのかも知れません。

此の花亭

美濃の和菓子(2)「透す」

| 2012.05.07 Monday

現在展示中の「和紙に込めた光たち」
「美濃の和菓子作品」2軒目の時代軒菓舗さんの和菓子
制作で感じたキーワードは、「透す」(すかす)

「透す」

●夏衣

●岩根つつじ

『夏の薄く透けた衣を表現したお菓子「夏衣」
表面から中の水色が見え隠れしています。
和菓子の内に秘められた想いも感じるよう・・・。

濃い水色、透明感のある水色、奥に隠れた水色
漉けるほどに薄い和紙、典具帖紙を重ねます。
白3枚に水色1枚。ここは白1枚に水色2枚・・・和紙が作る透明感。
作品も涼やかに見えるかな。』





~ お店に伺って ~
お菓子の箱を開けたとたん、感激しました!
制作するお菓子を頂きに伺ったのは、3月上旬。
箱に入っていたお菓子は、全て展示開催の季節に合わせた生菓子。
先の季節のものを、作って下さったのです。



その一つに「夏衣」という名前のお菓子がありました。
なぜ夏衣という名前なのかとお尋ねしたら、
「食べてみて下さいね」・・・と。

夏衣の由来を調べ、和菓子を頂いて納得。
和菓子は、内に秘めたお菓子。
中から現れる景色や物語に、もう一度心躍るお菓子です。

時代軒菓舗

美濃の和菓子(1)「押す」

| 2012.05.06 Sunday

現在展示中の「和紙に込めた光たち」
その中で、 「美濃の和菓子」を作品にしました。
1軒目の御菓子所 小川屋さんの制作で感じたキーワードは、「押す」

「押す」
美濃の若鮎やき
●花みこし

『若鮎の形は、ひとつひとつ表情が違う。
手で形作っているんだな・・・。
お腹の形、尾の形・・・ここは手で押した跡かな。
ここはつまんだ形かな。
作品を作っていると、手の跡を想像する楽しさと重なるよう。
和菓子の形は、手の形。』





美濃の和菓子作品で、最初に手掛けたお菓子がこの「若鮎」でした。
今回制作の大きなチャレンジだった「形」
ここから全10作品、様々な形と向き合い、楽しくも苦しい試行錯誤の始まりとなったのです(笑)


~ お店に伺って ~
伺った時、ご主人は忙しそうに生地を焼いてみえました。
甘い香りが漂います・・・。
たくさんのお菓子を頂き、「好きなの作って下さいね。」と笑顔で送って下さいました。

 



包装紙の絵は、ご主人が描かれたそうです。
もともと絵を描くことがお好きで、その勉強もされていたとか・・・。
好きなことが生かされて素敵ですね。

御菓子所 小川屋

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