栗太郎

| 2018.11.19 Monday

和紙でできたモンブラン「栗太郎」
それは初めて作った立体の洋菓子作品だった。
ただのモンブランだった。

できあがって間もなく、そのモンブランは旅をすることになった。
光の切り絵作家・酒井敦美さんと一緒に。
旅をするならと、カバンを作った。





旅行先から、酒井さんが毎日のように写真を送ってくれた。
「和紙のモンブラン、今日も元気です。」と。
3日目くらいに「栗太郎は今日も元気です。」となり、「栗太郎」という名前がついた。
だから名付けの親は、酒井さん。
写真の栗太郎は、まるで生きているようだった。

栗太郎作品を作るようになったのは、それから。
それは小さな額作品
日々の生活や、びっクリやゆっクリなど「クリ」のつく言葉とも重ねながら。
楽しく不思議な世界が生まれた。





栗太郎は展示会場で、いつも人気者だった。
感想ノートに、小さなお子さんが「栗太郎が好き」とよく書いてあった。
幅広い年代の方に楽しんで頂け、とても嬉しいことだった。


神戸での展示をご縁に、陶芸家・藤平三穂さんと出逢う。
藤平さんは栗太郎作品の椅子を元に、「栗太郎の椅子」を作ってくれた。
椅子に座ると、物語りが広がるようだった。




「いつか家族の椅子もあったら楽しいね。」とお互いに話していた。
お父さんの椅子、お母さんの椅子、妹の椅子。
今回の栗太郎展で、それは実現した。

栗太郎ファミリーそれぞれから、イメージして作って頂いた椅子。
出逢いを重ねて、また新たな物語が広がっていく・・・・・・





「栗太郎展」11/20(火)~12/8(土)


僕のDM 記:栗太郎

| 2018.10.01 Monday

おじいさんの言った通りだった。
しばらくしたら、まんまるだった栗のイガに筋目が入ってきた。





それからイガはだんだん色が茶色くなっていった。
ある日、そのイガを見てびっクリした!
なんと自然に割れて、中から栗が顔をのぞかせていた!!

台風で落ちてしまったまだ青かったイガ
すごいなぁ・・・
僕は仲間の力に感動した。

その時僕は思った。
僕の展示DM、この仲間との写真にしたい!と。





・・・でもすでにDMには他の写真が撮ってある。
あの美紀さんのことだから、そんな思いつきではダメだと言うに決まってる・・・
でも僕は勇気を出して言ってみた。
ああぁ、コワイ・・・

「えっ!いいの!!」
どうしたんだ。
栗太郎展だから!?
美紀さんもようやく人に譲ることがわかってきたのかな。

それなら撮影で下に敷く紙、決めなきゃ。
ちがう、ちがう、そんな明るい色じゃない。
シックな感じにしたいんだ。
僕は「起毛紙の毛皮風」っていう紙を選んだ。
この紙の表情が、イガに似てるなって思ったんだ。
それにおじいさんの故郷のフランスの紙だよ。

僕は開いた栗をよく見ようと、椅子に乗った。
陶芸家のフジヒラさんが作ってくれた新しい椅子なんだ。

パチパチと、美紀さんが写真を撮った。
ええっ、もう終わり!?
ほんの数枚だよ!
もっとたくさん撮ってよ~!!
ねぇねぇ!!

・・・・・・仕事に行ってしまった。




僕はフジヒラさんの椅子に座って、しばらく仲間たちと話をした。
みんな温かくって、また楽しい気持ちになってきた。
仲間っていいなぁ・・・
!!
その時僕はひらめいた!

僕はDMを作ってくれるデザイナーのウリモトさんに、こっそり電話をかけた。
「展示会のタイトル、僕の名前を美紀さんの名前よりもグ~ンと大きくしてね!」って。

「栗太郎展」2018年11/20(火)~12/8(土)



白鳥庭園の甘い夢

| 2018.07.31 Tuesday

2日間行われた白鳥庭園での和紙スイーツ展とワークショップ
夢のような2日間でした。
ご覧下さいました皆様に心よりお礼申し上げます。
また台風の影響で残念ながら伺えず・・・というお声も届き、お気持ち有難く受けとっております。





庭園のほぼ中央に位置する茶室・清羽亭(せいうてい)
母屋は二つの茶室から成り、そこで展示とワークショップを行った。
母屋から渡り廊下で、池の中州に建つ茶室・立礼席(りゅうれいせき)につながっている。
設計は建築家・中村昌生氏
離れが頭、渡り廊下が首、母屋の広間が胴体と羽
・・・それは水辺に舞い降りた白鳥のデザイン





初めての和室での展示
その素晴らしい空間に戸惑いながらも、最後は感じるままに作品を置いた。












木の台
ポツンと置いた1点
床の間からイメージした作品
今までと違った何かが生まれたようだった。


その空間でのワークショップ
~和紙で作る~和菓子
初めての随時ワークショップは、おかげ様で途切れることなく
たくさんの方にご参加頂きました。







小さなお子さん
涼しげな浴衣姿の方
お1人で、ご友人と、ご夫婦で
お茶仲間の方々と・・・
いろいろな世代の方に触れて頂いた。
手から生まれるそれぞれの形
皆さん何を感じられたのかな。

窓の向こうにはスイレンに囲まれた茶室
お茶席で頂いた和菓子の話にも花が咲く。
笑い声を交えながらの和やかな時間・・・





自然の光
自然の色が作品に映る。
人と作品と会話と。
和室は人を温かく迎える空間なのだと思う。





全てのお茶席が終わり、この空間もあとわずか。
最後のお客様と和やかな会話が続く・・・・・・




和紙スイーツ展「甘い夢」
夢のように幸せな時間となりました。
皆様に心より感謝いたします。


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