物語りの水玉

| 2018.03.19 Monday

日々食卓で使うたくさんの器
中でも毎日使うご飯茶碗
一番使い、手にして食べる器
その器を大好きな人に作ってもらえたら、どんなに豊かだろう・・・


陶芸家、藤平三穂さん。
出逢いは5年前の神戸展
栗太郎の椅子を作って頂いた。
その後もご縁が続き、今年の栗太郎展での試みにお互いワクワクしている。

そんな温かなお付合いの中、お願いしたペアのご飯茶碗。
春に届いたその器
愛らしいおそろいの水玉模様
それは今までにないお茶碗だった。





お茶碗には、一つづつ題名と物語りがあった。
大きい器は「雨あがり」

度々ご一緒した京都
3人の日は、なぜかいつも雨・・・
雨男なる呼び名が定着しつつある中、ついに快晴の京都

「雨あがって水たまりになりました。」
物語りの水玉
水の色
水の形
水玉
水玉模様は、小さいお茶碗へと続いていく。



逆さに置いた形も、まあるく愛らしい。
お茶碗以外のものにも見えてくるよう。
水たまりはだんだん小さくなり、
水色はだんだん青になっていく。
物語りの水玉・・・・・・





昨年秋の京都
散策の途中、大好きな紫式部の実があった。
その景色が美しく、私は夢中で写真を撮っていた。
触れ合い重ねた時間を想う。
物語りの水玉は、赤みを帯びてお茶碗の内側へと続いていく・・・





小さいお茶碗の題名は「紫式部」
重ねた時間が形になる。
毎日使う器になって。


陶芸家 藤平三穂さん
http://fujihiramiho.com/


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