甘い薫り

| 2011.10.06 Thursday

窓を開けると、甘い香り・・・。
小さな小さな花があつまる金木犀。
ふんわり漂う秋の香りに、甘い記憶も柔らかに浮かんでくるようです・・・。


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以前、和紙スイーツの展示会場で、
お客様から「作品に甘い香りがつけてあるのですね。」
と言われたことがあります。

作品に香りはつけていないことをお伝えすると、
「確かに作品から甘い香りがしたのですが・・・」
と不思議そうにされていました。

イメージの薫り・・・?
私もまた不思議に思いながらも、とても嬉しく感じました。


・・・甘いイメージの色は、優しいピンクやオレンジや黄色でしょうか。
最近、そんな甘い色合いの和紙を購入。

その和紙を背景に、これから額装作品を制作予定。
スイーツから広がるイメージの世界・・・。
そこには目に見えないものを形にする楽しさが溢れるようです。


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甘色の和紙に、透けるほどに薄い典具帖紙(てんぐじょうし)を重ねて、
甘く温かな作品を作りたい・・・。
どんなデザインを重ねていこうかな・・・。
しばらくは、和紙と向き合いながらのイメージ作り。

作品から甘い薫りが届けられたら嬉しいな。

夏の和菓子は典具帖紙

| 2011.07.28 Thursday

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透けるほどに薄い和紙、「典具帖紙」(てんぐじょうし)。
見ているだけで涼やかな風のようです。

夏の和菓子もまた透明感のある寒天や葛が、水辺のような涼しさを運びます。

その姿を典具帖紙で表現してみたいと、ずっと思っていました。


実際の和菓子を前に、透明感を見つめます。
見つめるほどに、小さな世界から涼やかな風景が広がるよう・・・。
作り手の繊細な感性に触れるようです。

ごくごく薄い典具帖紙を、折ったり、絞ったり、また広げたり・・・。
こんなに薄くて柔らかい和紙なのに、強くて破れない。
形もちゃんと保っていてくれる。
何日も同じ和紙に触れているうちに、手が何かを覚えてゆくよう・・・。
ここでもまた和紙を作る方の温かな想いに触れるようです。


この透明感は、本当に典具帖紙ならでは。

またまた魅了されてゆく、和紙の世界・・・。


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紫陽花色の和紙

| 2011.06.02 Thursday

 美しい色のグラデーションを見ると心魅かれます。

紫陽花はまさに自然な色のグラデーション。
日々移り変わる様子を見るのが楽しみです。


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和紙もまたグラデーションが美しく、微妙な色合いによく心奪われます。

中でも大好きな薄紫色のグラデーションを見つけると、つい当てもなく買ってしまい、
家に戻ると同じような色合いの和紙がすでにあり、笑ってしまうこともしばしば・・・。


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薄紫色に所々青や水色が入っている和紙は、紫陽花色のように感じます。

少しずつ切って重ねながら小さなパーツを作っていくと、一つ一つが違う色合いに。
薄い紫に濃い紫、青みの紫、青、水色・・・。
次はどんな色が現れるんだろう・・・。
1枚の和紙を順に使っているだけなのに、何だか不思議で面白い。
おかげで同じ作業も、楽しみな時間に変わります。


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出来上がったパーツでふんわり覆い、紫陽花の和菓子を作りました。

1枚の和紙から、たくさんの色が生まれてくる様子は
まるで和紙と色遊びをしているような楽しさです・・・。

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