和紙の魅力 「薄さ」

| 2010.10.12 Tuesday

 秋の空気が色濃くなってきました。

店先には色とりどりの葡萄が並び、見ていると様々な色合いに魅了されます。
その色は幾重にも奥深く・・・。


私が作品に使っている和紙は、「典具帖紙」(てんぐじょうし)という、透けるほどに薄い和紙です。
その厚さ、約0、03mm。

その薄さのおかげで、水彩絵の具を重ねるようにいろいろな色が作れます。
和紙の色も単色から多色、グラデーションまで様々。
1枚の和紙がひとつの作品のように美しい色合いです。

重ねると色が濃くなり、また混ざり合うことで微妙な色合いが生まれる・・・。
作品作りの一番魅力的なところかも知れません。


只今、来月の個展に向けて「葡萄のケーキ」を制作中。
本物の葡萄を3種類並べて、感じた色を重ねながら作っています。

紺色だと思った葡萄は、もっと黒かった。・・・黒を入れてみる。
レッドグローブは、赤紫?赤?熟し加減で色も違う・・・。根元には黄緑も見える。
黄緑色の葡萄は、薄緑、黄緑、緑、黄色を重ねて・・・。

自然の色は1色じゃない。
その奥深さを感じながら、薄い和紙を感じるままに1枚づつ重ねて色を作っていく。


重ね方で思いがけない色が出来ると、いつも感動してしまう・・・。

典具帖紙ってすごい。

和紙ってすごい。